カウンセラーからのメッセージ
さて、10代〜20代初めの年齢では、生まれて『初めての体験』がいろいろあってその一つ一つを乗り越えて行かなければならない運命にあります。
人間には何事にも「初めて」はあるものですが、多くの若者にとってはけっこう大変なこととして経験されるものです。
例えば、「実習に行くこと」「研修で海外旅行に行くこと」「グループで一つのプロジェクトを行うこと」「国家試験を受けること」……こうした体験の前は学校でもきちんと説明はされているものの、とても不安になり緊張してしまいます。
それは、あなただけではなく多くの人がそうなるのですから、必要以上に心配することはないのですが、やはり『初めての体験』をどう経験するか、ということが後々の自分に影響があることは確かです。
そこで、『初めての体験』にのぞんでの心構えをお伝えしましょう。
1.不安にならないように、情報を充分に集めて整理しシミュレーションしておくこと
2.自分なりの実行可能な目標やポイントを作っておくこと
3.人の目や言動を気にしすぎないで、あくまでも自分のすべきことを達成すること
4.体験したことを、その日のうちに思い返して自分なりにチェックしておくこと
5.反省点や改良点について考えて、それを以後に生かせるようにすること
この、1〜5を繰り返すことで、『初めての体験』が自分に取って「単なる体験」ではなく【体験を内面化すること】【体験を意識化すること】になるのです。
よく「あの人は体験から何も学んでいない」「あれだけの体験をしておきながら……」と言われたり、「さすがに体験したことが生きているね」「経験者はちがう」と言われるように【体験を貴重な経験に変えること】が大事なのです。
そう考えると『初めての体験』も、「嫌なもの」「不安なもの」「緊張して困ること」から「自分のためになること」「経験したことが自分の財産になる」というように考え方の変化ができます。
せっかくですから、なるべくポジティブにとらえて、しなければならないことに取り組んでもらえるといいかな……と思います。
上述の1〜5のプロセスを『経験のプロセス』と言い、経験には『仮説―体験―内面化』というプロセスがあると説明されています。
でもどうしても不安・緊張が強くて困っている人は、JTSCでの支援を申し込んでください。